翻訳のクオリティを決めるポイント 
思わぬ落とし穴!? 英訳でのさまざまな違いを知る

▶英語への翻訳での注意点
1. IR文書とカタログでは翻訳のスタイルも変わる
会社案内、アニュアルレポート等IR関連文書、論文・特許・技報・ニュースリリースなどの技術文書、マニュアル・カタログ文書…。文書の形態はさまざまです。当然、用語や表現、文章スタイルもそれぞれ。
さらに、それぞれにご担当者様がおられたり、異なる翻訳会社に委託されている傾向があります。
2. 英語圏でも方言で大きな差異
英語圏はアメリカ、ヨーロッパ、南半球、東南アジアなど。それら地域の方言に大きな差異があります。さらにローカルな翻訳体制があり、本国と異なった用語、表現が使用されます。
開発組織が海外にある場合には、本国での文書と一貫性のない用語、表現が採用されるおそれがあります。
3. 用語や表現がばらばらに? さまざまな翻訳会社のスタンス
会社ごとに翻訳のスタンスはさまざま。しかし翻訳会社では登録翻訳者への外注されるため、内部でのチェックが行き届いていないと、用語のゆらぎや表現の差異が生まれます。
さらに時間の都合などで過去の文書との突き合わせが十分に行われないこともあり、これもゆらぎや差異につながります。
4. 訳文ネイティブ or 原文ネイティブ翻訳者
訳文ネイティブ翻訳者(訳語がネイティブのアメリカ人翻訳者)は、訳文をネイティブ言語として自然な響きにすることに主眼を置く傾向があります。反面、原文の文化・概念を十分理解しきれていないため、原著者の意図を表しきれないこともあります。
対して、原文ネイティブ翻訳者(原文がネイティブの日本人翻訳者)は原著者の意図の把握はしっかりできていても、海外経験の長短などからその言語の文化・慣習・言い回しを理解しきれていない場合があります。
この点も、翻訳結果から用語のゆらぎや表現の違いが生じる要因になります。
▶翻訳用語のゆらぎや表現の差異を解決する方法

1. 既存用語を洗い出し、標準用語集をつくる
複数ある既存用語の洗い出しを行い、その上で一貫性のある既存用語をピックアップして標準用語のデータベースを作成します。
異なる担当部署の方々がレビュー、その上で一貫性および用語の自然さを基準としてたたき台をつくります。お客様にて検討作成されるのがベターです。
訳文ネイティブ翻訳者・原文ネイティブ翻訳者の間で生じる差異も、この方法で解決できるでしょう。
2. 後続の文書に用語・表現を反映
パンフレットなどは訴求力、技術文書などは技術的な正確性、マニュアル・カタログなどは理解のしやすさが重要となります。
そういった異なるスタイルを得意とする翻訳者がそれぞれ作業をすることになります。この場合重要となるのは、情報がリリースされる順番。リリースのタイミングが比較的早い媒体をにらみ、それらの文書で使われる用語・表現が後続の媒体に反映させていきます。
3. インターナショナル・イングリッシュへ統一
すべてをインターナショナルイングリッシュ(ローカルな表現を省いた最大公約数的な英語)で統一するというのもひとつの方法です。
一方、それはローカルな情報発信の自由度を損なうおそれもあり、それを防ぐためには、スローガン・社是などの変更不可の表現および名詞の用語集を作成、準拠させます。
4. 統括部署でレビューを
広報資料の社内翻訳の際、望ましいのはひとつの統括部署でレビューを行うことです。
翻訳会社にとっては、用語集などの統括管理が必要となります。 ただ翻訳会社の体制によっては、お客様の指定用語・表現に準拠する能力がない可能性も。そのため、この作業は統括部署か、1社の翻訳会社に任せることが望ましいと思われます。






